いわゆるつわりの症状とは、吐き気、嘔吐、食欲低下、胸やけ、口の中の不快な感じ、頻繁なげっぷ、唾液に苦みを感じる、味覚の変化など その他にも…
・体のだるさ、微熱が続く
・眠気、不眠
・立ちくらみ
・頭痛
・イライラする 気持ちが不安定
・便秘、頻尿
このような症状は、生理(月経)の予定日の1~2週間後(妊娠5~6週)位から現れますが中には生理(月経)の予定日ごろから現れることもあります。つまり妊娠検査薬を試すことが出来る時期になってからということです。
性行為から7~14日経ったくらいの時期に、これらの症状がいくつかあり、もしかしたら、妊娠しているのではと、不安になって相談して来られますが、それは、妊娠以外で起きている症状であったり、生理(月経)前にある症状だったり、不安によるストレスから起きている症状でもあり、それだけでは判断することはできません。基礎体温をつけている人なら、高温期のまま15日以上維持されたら、妊娠していると言えます。
予定生理(月経)日から7日(1週間)すぎると検査薬を試すことが出来ます。 生理(月経)の周期が一定ではない場合、性行為の時が排卵の時期であれば、妊娠をする可能性があるので、性行為の日を排卵日と考えると、行為から3週間過ぎたら、検査をしてみます。 ただし、精子の寿命が3~7日とも言われていますので、検査薬でマイナスであったとしても、その後も生理(月経)が来なければ、1週間後に再度検査をしてみましょう。 排卵は予定生理(月経)日の前14日目頃に起こります。卵子の寿命は1日です。
生理(月経)の初日から次の生理(月経)の初日の前日までが何日あるかを生理(月経)周期と言います。人により個人差があり、定期的に来ている人でも、2~3日のずれはあるといわれています。 通常の生理(月経)周期は25日以上38日以内とされています。生理周期は体調やストレスによって変化するので、時々この周期とずれても全く心配はいりません。正常の周期より短い、あるいは長い周期を繰り返す場合は、ホルモンバランスの乱れや、ポリープなどによる不正出血が隠れていることもあるので産婦人科を一度受診することをお勧めしています。
「ホルモンケア推進プロジェクト(外部サイト)」より引用
妊娠の可能性のあるのは排卵日の前1週間と排卵日の翌日までです。これは、精子の寿命が3~7日、卵子の寿命が1日と考えられているからです。 実際には体調やストレスなどによっても、排卵の時期がずれることがあるので、必ず、排卵予定日に排卵があるとは言えません。その中でも、妊娠の確率が高いのは排卵日前々日~排卵当日の3日間。3割強の妊娠確率です。その3日以外は1割前後の妊娠確率です。
10代〜20代は妊娠する確率が高いです。それは、受精した受精卵が、着床する(子宮の壁に受精卵が着いて育つ)割合が高いからです。流産の割合も、30〜40代に比べて、10〜20代は低いです。
基礎体温を継続的に測定、記録すると、生理や排卵など、女性のからだをコントロールしている女性ホルモンの状態を知ることが出来ます。朝起きたらすぐに、布団の中で婦人体温計(36.55℃というように、細かく測ることができるもの)を用いて舌の下で測ります。動き回ったり、話をしたり、何か食べたりすると、正確な基礎体温が測れなくなります。メモリー機能の付いたものもあります。
1. 排卵ができているかがわかります。
2. 妊娠しやすい時期を予測できます。
3. 妊娠すると3週間以上高温期が続くので、妊娠したことがわかります。
4. 妊娠の可能性が高いのかどうかがわかります。
5. 次の生理の日を予測することが出来ます。
6. 女性ホルモンが分泌できているかがわかり、不妊症の治療にも用いられます。
7. 生理が遅れていても、排卵が遅れてきただけであれば、妊娠したかもしれないと悩まなくても良くなります。
生理の周期が不規則な方は、グラフを付けてみたときに、高温期と低温期の二つのラインができないようであれば、排卵がうまくいっていない可能性があります。その場合は、病院を受診することをお勧めいたします。
妊娠すると、hCGという物質が身体の中で作られます。妊娠検査薬は、尿の中にhCGがあるかを調べるもので、妊娠している場合、検査薬が陽性になります。妊娠のごく初期では、hCGの量がまだ少ないのですが、週数が進むとだんだん増えてきます。妊娠検査薬が陽性になった段階では、まだ正常に妊娠しているかどうかわかりません。産婦人科で、超音波で子宮の中に胎のう(赤ちゃんを包む袋)があることを確認しなければなりません。受精卵が着床しても、育たないまま終わってしまうこともあります。現在市販されている妊娠検査薬の中には、感度の良いものもあり、ごく初期から陽性になるものがあります。検査薬を試すのが早かったりすると、本来育たない運命だった受精卵が子宮内膜に定着(着床)したことまでわかってしまったりすることがあります。このように、検査薬では陽性になったものの、産婦人科で胎のう(赤ちゃんを包む袋)が確認されないまま終わってしまうことを、化学流産と言うことがあります。
妊娠検査薬が市販されていない時代にはわからなかったはずのことですが、ごく初期の流産は、受精卵そのものに育つ力がなかったことによるものであり、それはお母さんのせいではありません。
なお、この化学流産は、通常産婦人科では妊娠歴にカウントされません。
受精卵が子宮内膜に定着(着床)したときに、色の薄い生理(月経)のような少量の出血が1~2日続くことを着床出血といいます。これは、異常な出血ではありません。また、着床出血はある人とない人がいるので、着床出血がなくても問題ありません。
ただし、着床出血は、妊娠していなければ次の生理予定日の時期にあたる妊娠4週目頃に起こるものなので、生理と勘違いしてしまう可能性があります。妊娠に心当たりがあり、生理と思われる出血が1~2日で終わってしまった場合は、妊娠の可能性を考え、検査薬を試してみると安心です。
(参考文献:竹内正人監修「はじめての妊娠&出産」2016年)
妊娠診断の費用は病院やクリニックによって若干の差がありますが、約8000~10,000円位のようです。
妊婦健診は健康保険が適用されないので、血液検査などを合わせると高いときは約15,000~20,000円の費用がかかります。ただし、母子手帳と一緒に妊婦健康診査受診票、いわゆる「補助券」が交付され、これによって、妊婦健診の費用が一部助成されます。自治体(住んでいる場所)によって助成内容や費用は異なるので、交付の際に助成内容を教えてもらいましょう。
保険証、診察料、基礎体温を付けている人は、基礎体温表を持っていきましょう。
最終生理(月経)開始日は妊娠0週0日となり、最終生理(月経)開始日から14日目が妊娠2週0日、そして、28日目が妊娠4週0日となります。なお、妊娠40週0日(280日目)が分娩予定日となります。
ただし、37週0日から41週6日までを正期産といい、これ以前に生まれると、早産と呼びます。41週すぎてくると、胎盤の機能が低下してくる場合もあり、陣痛促進剤で計画的に出産にすることもあります。
東京でも、出産できる病院が減ってきているため、人気のある病院は、妊娠10週位までに予約を入れないと、分娩予約が締め切られてしまうところがあります。東京で産むのか、里帰りといって、実家の近くの病院で産んで、産後、親などに手伝ってもらうのか、すぐに決められない場合がありますよね。その場合は、ひとまず、診察を受けている病院で分娩予約をして、もしも、里帰り出産をすることになったら、キャンセルをするというのが良いでしょう。
ただし、病院によっては、○○週までに予約金を納めなくてはいけないという病院もありますので、その場合、予約金を返してもらえるのか事前に確認してみてください。出産の方法や、母子同室が良いか別室が良いか、母乳指導が行き届いているかどうかなど、病院によって違いがあります。
出産病院によりかなり違いがあります。公立の病院ですと、45~50万円位のところもありますが、55~60万円位する病院が多いです。東京でも公立の病院は予約金を取っていないところもありますが、事前に分娩の予約金を支払うようになっている病院が多いです。(3~20万円) 健康保険に加入していると、<出産育児一時金>が42万円支払われます。直接支払い制度という制度を利用できる病院は、あらかじめ病院との合意文書を交わすことで、出産費用から42万円を引いた額だけを自己負担すれば良いという制度もあります。病院で確認してみて下さい。
中絶手術は法律により21週6日までしか受けることができません。また、手術を受けられる期間は妊娠週数によって、初期・中期に分けられています。
初期:~11週6日
中期:12週0日~21週6日
初期中絶はお腹の中の赤ちゃんを外に吸い出す又は掻き出す手術です。中期中絶と比べるとまだ赤ちゃんも小さいので比較的安全に行われます。日帰り手術を行っている病院も多いですが、手術前後の処置や麻酔の覚め具合により、1泊入院となることもあります。
一方で中期中絶は入院をして手術を受けることがほとんどです。人工的に子宮口を開き流産させる方法となるため、陣痛と同じ痛みがあり、身体への負担だけではなく、精神的にも大きな負担となります。妊娠週数により入院日数も異なりますが、入院期間も2泊3日は考えておきましょう。
【初期中絶の費用(~11週)】参考料金
手術前の検査:約1~2万円
手術自体:約10~15万円
(経過に応じて入院する必要が出た場合は、別途入院費がかかります)病院によってカードでの支払いや分割払い等が可能なところもありますが、公的な病院の場合が多いです。費用に関しては病院にご相談ください。
【中期中絶の費用(12週~21週)】
妊娠12~14週の場合:入院費用を含め30万円前後
妊娠16~21週の場合:入院費用を含め45万円前後
※ただし、性暴力(レイプ)の場合は上記とは異なります。警察に行くと、その時の状況を説明することで、診察・検査、緊急避妊ピルの処方を受けることが無料でできます。それでも妊娠していた場合に、中絶を希望される時は、手術費用の負担もありません。
詳しくは「しあわせなみだ」「性暴力被害者ワンストップ支援センター」で検索してみてください。
手術を行う前に血液検査を行います。貧血や出血のしやすさを確認したり、感染症や性感染症の有無を調べたりします。(検査項目: 貧血や白血球数など、B型肝炎、梅毒、クラミジアなど)
人工妊娠中絶は、おなかの中で育っている赤ちゃんを外に出す手術です。そのため、身体面でのリスク、そして、精神面でも予想外のストレスを残すことがあります。
・身体に対して
麻酔による影響、子宮を傷つけてしまうこと、赤ちゃんの一部が残ってしまうこと、大量出血、性感染症が広がってしまうことなど。病院は万全を期しますが、それでも手術ですから、絶対に何も起きないとは言えません。手術前に必ず詳しい説明があるので、医師の説明をしっかり聞きましょう。
・精神面について
また、納得して手術を選択したとしても、手術の後に、精神的に不安定になったり、悔やまれたり、二人の関係に変化が起きたりすることなどもあり、精神的苦痛、鬱(うつ)などの症状が現れることもあります。
周りから言われて、自分は納得していないのに、ことが進められてしまったりすることが無いように、にんしんSOSなどで相談をするなど、手術を受けることを自分で納得して選択することは大切です。そして、手術の当日は、できるだけ、パートナーの人やご家族に付き添ってもらえると良いでしょう。 これからも付き合っていく相手ならなおさら、一緒に共有することは必要です。妊娠は一人でしたのではないのですから。
ご自身のライフプランを考え、望まない妊娠を避けるためにも、まだ、子どもを産むことは考えていない、次の妊娠まで少し間を開けたい、もう、これ以上は子供を産む予定はないという場合は、避妊が必要です。
日本人の多くは、避妊法にコンドームを利用しています。でもコンドームを着けても妊娠をしたり性感染症が移ったりすることもあります。「コンドームの達人 岩室紳也」で検索すると、「コンドームの正しい着け方」の動画が見られます。是非パートナーと一緒に見てみて下さい。男性は、何度か練習をして、暗がりでも裏表がわかり、正しく着けられるようにしておきましょう。大切な彼女に対して、ぶっつけ本番はなしです!いざという時のために、男女共に持っておくようにしましょう
射精する前に粘液に混ざって少量の精液が出て来ます。少しでも精液があれば莫大な数の精子が含まれていますから、射精の時だけ外に出しても、避妊効果はありません。何回かしているうちに妊娠します。「今まで妊娠させたことはないから」と言っていた男性とセックスして、初めてのセックスで妊娠をされた方もいます。たまたま、妊娠していないだけです。避妊に関しては、男女共に、お互いに相手任せにしないようにしましょう。コンドームを着けないならセックスをしない位の気持ちがないと、望まない妊娠をしてつらい思いをすることになるかもしれません。
子宮の中に小さな器具を入れる方法。挿入したら5年程は使用可能。出産経験のある人なら、女性主体で避妊ができる方法で、ピルの様に飲み忘れもなく避妊効果も高いです。 IUSは黄体ホルモンを持続的に放出するタイプの子宮内避妊用具です。ホルモンの作用で、生理が避妊効果が高く、また生理が軽くなるのも特徴です。授乳中は、IUSからのホルモンが授乳に移行するといわれているので、従来のIUD(銅付加タイプ)のものを使用することが推奨されています。
避妊はお互いの意識が大切です。お金がなくてコンドームが買えない状況では、妊娠したかもしれないという時に、妊娠検査薬を買うお金も、受診するためのお金も、妊娠してしまった時に、出産や中絶手術を受けるお金も無いということです。 その負担は誰が持つことになるのでしょう?そのことを後で悔やむことのないように、男女共に、よく考えてから行動しましょう。「好きだって言われたから、いいかな」、とか、「好きだったらしたい」、だけではなく、相手を大切に思い合う気持ちがなければ、素敵な性行為を行う関係にはなれません。こんなことになるとは思っていなかった、どうしよう、と、悔やまないために、妊娠しても良いと思う時まで、コンドームや低用量ピルの内服など、きちんと避妊について話し合える関係になってから性行為ができるといいですね。
性被害や、避妊に失敗したセックスの後、72時間(3日間)以内に緊急避妊薬を飲むことによって、妊娠の可能性を下げる方法です。100%とは言えませんが、妊娠を避けるための手段です。妊娠経験があれば120時間(5日間)以内に銅附加子宮内避妊具を挿入する方法もありますが、いずれも婦人科を受診し、相談してください。料金は自由診療ですので医療機関によって異なります。(12,000~20,000円位)事前にお電話してご確認ください。処方してくれる医療機関を紹介して欲しい方はこちらにお問い合わせを!
EC・OCコール TEL. 03-3267-1404
月~金 10時~16時(年末年始・祝日休み)
EC: Emergency contraceptive pill
OC 経口避妊薬:oral contraceptive pill
服用後、消退出血が起こる前に、また避妊が失敗したからと言って、再度アフターピルを内服することはできませんので、性行為をしないか、確実にコンドームを装着するようにします。
*消退出血とは、緊急避妊ピルのホルモンの力により、子宮内膜がはがされる出血です。内服する時期によって、内服から数日で出血する場合と、通常の生理の時に消退出血が合わさることもあります。 内服後、出血が3週間しても起きなければ、妊娠検査薬で調べてみましょう。
民法第817条の2から第817条の11に規定された、子どもの福祉のための制度です。様々な理由で実親のもとで育つことができない子どもが家庭で養育を受けられるようにすることを目的に設けられました。 里親制度と混合されがちですが、里親は育ての親が一時的に子どもを預かる制度であり、里親と子どもの戸籍上の繋がりは生じません。一方、特別養子縁組では、養親と養子の親子関係を重視するため、実親の「親権」は、養親に移譲され、養子は戸籍上養親の子となります。つまり、特別養子縁組とは子どもが主体の養子縁組であるといえるでしょう。
監修:
NPO法人親子の未来を支える会 林伸彦 医師
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